日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナにおけるHYL1/DRBファミリー2本鎖RNA結合タンパク質とDicer様タンパク質の特異的相互作用
*平栗 章弘伊藤 陸近藤 直子野村 泰子村井 祐介福原 敏行
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p. 040

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抄録

2本鎖RNAに特異的に結合するタンパク質が様々な生物で発見されている。RNAサイレンシングに関与するDICERなどもその例であり、2本鎖RNA結合モチーフ(dsRBM)を含んでいることがわかっている。我々は、シロイヌナズナにおけるdsRBMを持つタンパク質(DCL1-4, HYL1/DRB1, DRB2, DRB4, DRB5)の生化学的な解析を行った。これまでに、DCL1, DCL3, HYL1/DRB1ファミリーのタンパク質が実際に2本鎖RNAに結合することを報告した。
既知の動物における2本鎖RNA結合タンパク質は、dsRBMを介して相互作用することが知られている。そこで、ファーウェスタン法によって相互作用活性を解析した結果、DRB4はDCL4と、HYL1/DRB1はDCL1と特異的に強く結合した。また、GFP融合タンパク質を用いた細胞内局在の解析によって、DRB4、DCL4、HYL1/DRB1、DCL1はすべて核に局在することが示された。
これらの結果は、HYL1/DRBファミリーの2本鎖RNA結合タンパク質がDICERと相互作用することでDICERの機能を調節している可能性を示唆している。現在、免疫沈降法によって生体内での相互作用を解析しており、その結果もあわせて報告したい。

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© 2005 日本植物生理学会
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