抄録
タンパク質の能動的分解装置である26Sプロテアソームは,20S活性複合体と19S調節複合体とから構成される。19SサブユニットをコードするRPT2遺伝子は、シロイヌナズナにおいて2種(AtRPT2aおよびAtRPT2b)存在している。
我々は,イネマイクロアレイを用いた解析から,イネのRPT2a遺伝子が糖によって顕著に発現が誘導されること,またAtRPT2aのT-DNA挿入変異体(rpt2a)が、糖に対して過剰応答を示し,かつ AtRPT2aは糖の添加によって顕著に発現が誘導されることを見出した。同様の実験を行った結果,AtRPT2bはこれらの糖応答を示さないことを明らかとした。よって、AtRPT2aとAtRPT2bでは機能分担されること、AtRPT2aを構成した19Sによって調節される26Sプロテアソーム活性が、糖のシグナル伝達機構に関与することが示唆された。
またrpt2aは、根端分裂組織や葉の形状などに異常を示しており、同一アレルのhalted rootが報告されている(Ueda et al. 2004 Development 131: 2101-2111)。よって糖シグナリングは、タンパク質の能動的分解を介した形態形成にも関与することが考えられ、これについても議論したい。