抄録
シロイヌナズナCYP90B1/DWARF4は、ブラシノステロイド生合成の主要なステップであるC22-水酸化を触媒する。我々はイネCYP90B1/DWARF4相同遺伝子OsDWARF4とその変異体osdwarf4-1を単離し、2002年度年会で報告した。しかしOsDWARF4の機能が完全に失われていると考えられるosdwarf4-1が、ブラシノステロイド欠損に伴う形態異常としては極めて弱い表現型しか示さなかったことから、同じ機能を持つ別の酵素がイネには存在していると考えられた。データベース解析で得られたOsDWARF4様遺伝子はシロイヌナズナCYP724A1と相同性示し、2004年度年会で田邊らにより報告されたイネ矮性変異体d11の原因遺伝子CYP724B1/D11と同一であった。CYP724B1/D11の機能が完全に失われていると考えられるd11変異体の表現型も弱かったことから、OsDWARF4とCYP724B1/D11の機能が重複している可能性が考えられた。今回はosdwarf4-1×d11二重変異体の解析を中心に、OsDWARF4とCYP724B1/D11の関係について考察する。