抄録
ABA情報伝達経路に関わるさらなる知見を得るため、我々はABA応答に変化のあるシロイヌナズナ変異体の分離を行なった。ABA類縁体であるPBI-51を用いた変異体探索によりABA高感受性変異体がいくつか分離され、ahg (ABA hypersensitive germination)と名付けられた。ahg11は、種子発芽においてABAと塩に高感受性を示す劣性変異体である。ahg11の原因遺伝子がマップベースドクローニングにより同定され、PPR (pentatricopeptide repeat)タンパク質をコードしていることがわかった。PPRは高等植物において大きなファミリーを形成しており、それらの多くはタンパク質の一次配列から葉緑体やミトコンドリアへの移行が予測されている。また、RNAに結合するPPRがいくつか報告されている。GFP融合タンパク質の蛍光シグナル観察から、AHG11タンパク質はミトコンドリアに局在すると思われた。AHG11がミトコンドリアのRNAプロセシングに関与している可能性が考えられ、そのABA応答との相関は未知であり興味深い。現在、詳細な解析を進めている。