日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ヨウシュヤマゴボウにおけるベタシアニン生合成関連酵素の解析 
DODA, PAPのクローニングと解析-
*高橋 加奈作田 正明
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p. 121

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抄録
 高等植物の赤色は、多くの場合アントシアニンにより発色されるのに対し、ナデシコ科、ザクロソウ科を除くナデシコ目植物ではアントシアニンは合成されず、その赤色はベタシアニンによって発色されている。我々はナデシコ目植物のベタレイン生合成系について解析を行っており、今回、ベタシアニンの生合成酵素であるDODA (Dopa-dioxygenase) 、ベタシアニン蓄積と発現パターンに関連が見られるPAP (Phytolacca americana polyphenol oxidase) に注目し、解析を行った。
 ナデシコ目植物のヨウシュヤマゴボウからRACE法によりORFの全長 (DODA:798bp, PAP:1782bp) を含むcDNAを単離した。これと既知のcDNAとの構造をアミノ酸レベルで比較したところ、DODAにおいて、ビートとは71%、マツバボタンとは68%の相同性が見られ、ベタレイン合成植物のみに共通して見られる保存配列が確認された。一方、PAPにおいて、既知のPAP1とは95%、PAP2とは88%の相同性が見られた。また、DODAPAPの発現パターンを半定量的RT-PCRで解析し、DODAはベタシアニン蓄積前に多く発現し、PAPはベタシアニン蓄積後に多く発現していることが分かった。
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© 2005 日本植物生理学会
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