2011 年 14 巻 2 号 p. 50-57
訪問看護ステーションに勤務する看護職のワーク・コミットメント(work commitment)の関連要因を検証するため「HRM チェックリスト」を活用し,属性との関連を検証した.対象は,関東圏44 施設の212 人で177 人から回答が得られた(回収率83.5%).分析の結果,①ワーク・コミットメントと関連のみられた属性は年齢,職位,就業形態の3 項目であった.また,これらの3 属性は仕事外生活と関連がみられた.②年齢では,50 歳以上の職員は50 歳未満に比べ,組織コミットメントの「残留・意欲」が有意に高く,また,40 歳未満は50 歳以上より「規範的」が有意に高かった.③職位では,管理者・主任は一般職員に比べ,ワーク・コミットメントおよび職務満足感共に有意に高い項目が多く,組織コミットメントの「情緒的」と「存続的」,キャリアコミットメントの二重コミットメントを確認できた.④就業形態では,常勤職員は非常勤職員に比べ,職務コミットメントが有意に高く,訪問看護の職務に強く同一化していた.