日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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FOXハンティングシステムを用いたサイレントフェノタイプの探索
*草野 都金谷 重彦中村 由紀子Par JonssonThomas Moritz北山 雅彦市川 尚斉中澤 美紀関 原明松井 南篠崎 一雄鈴木 秀幸柴田 大輔斉藤 和季
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p. 148

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抄録
遺伝子操作技術により植物内のある部分の遺伝子を改変させたにもかかわらず、その形態的変化や生育スピード等、見かけ上の表現型に変化が認められない植物の表現型をサイレントフェノタイプと呼ぶ。これらの植物中に含まれる代謝産物総体(metabolome)を一つの表現型ととらえると、metabolome量に何らかの変化が起こっていることは十分期待される。このようなサイレントフェノタイプの探索を行うにあたってFOXハンティングは非常に有効な手段である。本法は完全長cDNAを直接導入することにより、ある特定の遺伝子を確実に過剰発現させることが可能であり、遺伝子-機能の帰納的な解析を実現できる。本研究では、シロイヌナズナを用いたFOXハンティングラインに対してmetabolomicsを用い、サイレントフェノタイプの探索およびその機能解析を行うことを目的とした。
FOXハンティングの各ラインをハイグロマイシン含有MS培地に播種し、25日間生育させた。地上部をサンプリングし一相抽出による抽出-誘導体化を行った後、GC-TOF/MS分析を行った。得られた生データについてはケモメトリクス的手法を用いて処理後、多変量解析によりサイレントフェノタイプの判定を行った。その結果数ラインの植物について他のライン群と差が認められた。これらの植物について野生株の代謝産物との差を比較するため、現在培養を行っている。
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© 2005 日本植物生理学会
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