日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナの核コード葉緑体タンパク質遺伝子変異体のFT-ICRMS(フーリエ変換イオンサイクロトロン型質量分析)による植物代謝産物変化の網羅的解析
*本橋 令子佐藤 将一明賀 史純飯泉 治子太田 大策及川 彰篠崎 一雄
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p. 149

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抄録
我々は葉緑体の形態形成、光合成、ストレス応答、物質生産に関与する新規の葉緑体タンパク質遺伝子を多数同定し、過剰発現などによる光合成機能や葉緑体機能の向上を目標とし、タンパク質局在予測プログラムを用いて葉緑体に局在が予測された2090のシロイヌナズナ葉緑体タンパク質遺伝子破壊株の収集を行っている。本研究は、収集した葉緑体タンパク質遺伝子破壊株の代謝産物の変化を網羅的に解析し、代謝機能と遺伝子機能を関連つけるためのメタボロミクス実験基盤を構築することを目的として行った。実験に用いた変異体は、機能解析を進めているプラストキノンを作らないapg1変異体(pale green mutant)、葉緑体のチラコイドへのタンパク質輸送装置が壊れたapg2変異体(albino mutant)、葉緑体の翻訳システムが壊れたapg3変異体(albino mutant)である。代謝産物プロファイルはFT-ICRMS(フーリエ変換イオンサイクロトロン型質量分析)による一斉分析結果のPCAによって得た。FT-ICRMSでは極めて高感度での組織粗抽出液の一斉分が可能である。各変異体を培地上で3週間生育させ、その植物体全体のメタノール可溶性粗抽出画分をソフトイオン化法(ESI)によりイオン化し、FT-ICRMSにより質量データーを得、PCAを行うことによりメタボロームプロファイルを得たので報告する。
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© 2005 日本植物生理学会
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