日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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多次元NMRメタボロミクスによる植物の化合物動態解析
*赤嶺 健二平山 隆志菊地 淳
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p. 152

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抄録
生体中の多数の代謝産物を網羅的に捕らえ解析していくことをメタボロミクスといい、遺伝子やタンパク質機能の実体を分子ネットワークの観点から解明する手段として最近注目を集めている。NMR法は、再現性が高くin vivo計測が可能なことから、我々はメタボロミクスの重要な測定手段として位置づけ、その方法論創出を行っている。特に、高等植物を均一安定同位体標識することにより、タンパク質立体構造解析で用いられる異種核多次元NMR計測法を適用しようとしている。この方法は、外界から摂取した化合物から多種多様なファイトケミカルへの生合成過程をin vitro, in vivo動態解析する事が可能なため、基礎理学のみならず応用科学的な面から見ても重要であると考えられる。
このような背景から、高等植物であるイネやシロイヌナズナに種々の安定同位体標識された無機・有機物を与え、異種核多次元NMRメタボロミクス法を用いた解析を行うことにした。現在、in vitro だけでなくin vivo 計測も行っており、本大会では根圏も含めた植物の有機物摂取効果等について新たに示唆されることを報告する。
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© 2005 日本植物生理学会
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