日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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μX線CTスキャナを用いたシロイヌナズナ3次元形状のモデル化とin silico表現型解析
*神沼 英里長谷川 義和平田 直彦吉積 毅中澤 美紀豊田 哲郎松井 南
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p. 153

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抄録
理研GSCでは、遺伝子機能を同定する為に6万を超えるシロイヌナズナの突然変異体を生成している。変異体を元に遺伝子機能を推定するには、表現型解析の精度が重要になる。しかし、大量生成される変異体候補の個体をスクリーニングする手法は目視による手作業が一般的で、微妙な形質の変化を検出することは困難である。また主観判断の為に変異体の識別基準が曖昧であり、表現型の記述も定性指標に偏りがちである。本研究では、シロイヌナズナ変異体の3次元形状計測データからin silicoで表現型データを定量化し、変異体と野生型の明確な識別基準に基づく、精度の高い変異体スクリーニング手法の確立を目指している。本報告では、3次元形状計測装置としてマイクロフォーカスX線CTスキャナを用いる場合について、形状モデル化やコンピュータ中での形質抽出方法を紹介する。また、従来の計測装置であるレーザ表面スキャナと比較して、形質解析に利用する場合のメリット・デメリットをまとめる。更に形質抽出の例として、シロイヌナズナの乾燥種子を採り上げ、野生株と変異体の種子形態の形質差についての解析結果を説明する。
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© 2005 日本植物生理学会
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