日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

ねじれを引き起こすチューブリン変異の解析
*石田 喬志金子 弥生橋本 隆
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 156

詳細
抄録
 微小管構造は全ての真核生物でほぼ共通である。すなわち、αチューブリンとβチューブリンが安定なヘテロ二量体を形成し、これが縦につながって微小管原繊維が形成され、原繊維が通常13本横に束ねられて中空の微小管となる。微小管の構造と動態には、二量体内と二量体間の縦方向のα-β相互作用、及び原繊維間の横方向の相互作用が重要である。これまで我々はアラビドプシス左巻きねじれ変異株lefty1lefty2が二量体内のα-β接触部位のアミノ酸置換により、不安定な微小管を形成するドミナントネガティブ変異であると報告した。lefty1、2では根の伸長領域の表皮細胞において表層微小管束が右巻きへリックス状に配向していることが観察され、このことからねじれ形質と表層微小管束の配向との関係が推測されている。
本研究において、我々は新たにねじれ形質を示すアラビドプシス変異株をスクリーニングし、チューブリンに変異が生じている24種類の変異株(右巻きねじれ変異株14種、左巻きねじれ変異株10種)を得た。左巻きねじれを示す変異株においては表層微小管束が右巻きへリックス状に配向し、右巻きねじれ変異株では左巻きへリックス状に配向していることが観察された。
 現在これらのチューブリン変異株に関して表層微小管の動態を観察している。
著者関連情報
© 2005 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top