日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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非侵襲/動的測定法によるChara細胞膜の水透過性の研究
*緒方 惟昭
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p. 202

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抄録
淡水産緑藻Charaの細胞膜の水透過性には明らかな異方性(細胞内に入り易く出難い)があると主張する報告がある一方で、膜それ自体の水透過は等方的であるとの主張があり、結論は出ていない.前実験法は、細胞膜を介した水の体積流を伴った測定 (trans cellular osmosis)であるので、細胞膜を介した水の駆動力に変化を生じるばかりでなく、液胞内の溶質分布にも大きな偏りを生じるので、測定結果の解析が極めて複雑になる.後実験法は、細胞にキャピラリーを挿入し膨圧をクランプする方法(pressure probe)であるので、細胞に対して侵襲的であるばかりでなく実験には高度な技術が要求される.いずれの方法も、細胞壁の力学的応答を考慮すれば、時間的分解能の点で十分とは言えない.
本研究は、非侵襲的動的測定法(時間的分解能=100msec)であるので、細胞壁の力学的性質の変化と細胞膜を介した水の体積流 および 細胞内の溶質濃度の偏りも無視する事ができ、結果解析の単純化が可能となった(Ogata 2004, PCPに投稿中).結果;細胞膜それ自体に整流性は認められなかった.見かけ上の整流性は、以下を原因とする相乗効果によると思われる:1)細胞膜近傍の溶質の濃縮・希釈, 2)細胞内の溶質濃度の偏りにより細胞長軸に沿って生じる水の駆動力変化、3)細胞の膨張または収縮によって生じる細胞壁の力学的性質(粘弾性)の変化.
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© 2005 日本植物生理学会
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