日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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エンドソームに局在するパパイン型プロテアーゼはエンドソームと液胞の融合を助ける
*山田 健志富士 健太郎嶋田 知生西村 いくこ西村 幹夫
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p. 239

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抄録

植物において,原形質膜のタンパク質がどのように液胞へ運ばれ分解されるかは明らかにされていない.そこで,原形質膜タンパク質の液胞への輸送を調べる目的で,シロイヌナズナとタバコ培養細胞(BY-2)におけるエンドサイトーシスを解析した.エンドソームは非常に早く液胞へ到達するので,通常の条件ではほとんど見ることができない.しかし,パパイン型システインプロテアーゼの阻害剤であるE64dでBY-2を処理すると,エンドソームが細胞礎質に大量に蓄積することが分かった.このことは,E64dがエンドソームと液胞の融合を阻害することを示唆している.原形質膜タンパク質(PIP2a,LTI6b)とGFPの融合タンパク質を発現するシロイヌナズナ形質転換株にE64dを処理したところ,GFP蛍光を持つエンドソームが蓄積し,融合タンパク質の分解が阻害された.さらに,ビオチン化阻害剤を用いて,蓄積したエンドソームに2つのパパインホモログ(ENP)が局在することを見つけた.以上の結果から,ENPは原形質膜タンパク質の液胞への輸送過程の一つであるエンドソームと液胞の融合に働くことが示された(1).
1) Yamada et al. (2004) Plant J., in press.

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© 2005 日本植物生理学会
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