日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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海洋性珪藻Phaeodactylum tricornutumにおける細胞内カーボニックアンヒドラーゼ1(PtCA1)の機能
*中島 健介中妻 大輔北纓 良子松田 祐介
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p. 255

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抄録
多くの微細藻類と同様に、珪藻は無機炭素濃縮機構(CCM)を有し、近年、C4系の併用も報告されているが、これらの分子機構については明らかになっていない。CCMは、環境CO2濃度の変化に応じて発現調節される。P. tricornutumにおいてCCMの重要なコンポーネントの1つにβ型carbonic anhydrase1(PtCA1)があり、CO2濃度によって発現調節される。PtCA1の機能を調べるために定常的プロモーター(fcpAプロモーター)にptca1-egfpを連結させたベクターを用いて形質転換させた細胞を単離した(Pt2fcpApCA1GFPb)。PtCA1のN末端46アミノ酸残基は、ER移行シグナルと葉緑体移行シグナルの機能を持つと考えられ、PtCA1は葉緑体に局在し、さらにガードルラメラ上において複数の顆粒を形成する。野生型細胞において、PtCA1の発現は5% CO2下で抑制される。一方、Pt2fcpApCA1GFPbにおいては、fcpAプロモーターにptca1-egfpを連結させていることから5% CO2下においてもガードルラメラ上に複数の顆粒を形成する。本研究では、野生型及びPt2fcpApCA1GFPbの生育と光合成パラメーターを調べた。Pt2fcpApCA1GFPbは、5% CO2及びAir(大気レベル)の各環境においても生育することがわかった。次に、5% CO2下で生育させたPt2fcpApCA1GFPbをCO2欠乏環境に移し、光合成パラメーターを決定したところ野生型と比較して光合成が著しく阻害されていることが明らかとなった。さらに詳細な実験結果について報告する。
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© 2005 日本植物生理学会
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