理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 134
会議情報

骨・関節系理学療法
肩関節周囲炎における挙上位X線画像評価と臨床所見との比較
*大江 厚大羽 明美畑 幸彦緒方 洪之牛越 香若林 昭一山崎 恭子橋本 健児近藤 愛子出間 順子一志 太陽
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【はじめに】肩関節周囲炎において,見かけ上は挙上制限がなくても挙上位X線画像では肩峰に対する大結節の位置が正常でない症例を度々経験する.そこで今回,肩関節周囲炎の挙上制限を見逃さないためにはどうすれば良いかを検討する目的で,挙上位X線画像評価を行い,肩関節可動域と比較検討したので報告する.
【対象と方法】2001年8月~2004年9月までに当院整形外科を受診して肩関節周囲炎と診断された97例97肩の内,屈曲120度以上で,かつ外転90度以上であった42肩を対象とし,平均年齢は58.3歳であった.これらを挙上位X線画像を用いてSohierの分類に従って大結節が肩峰の外にある場合をpre-R.G.,肩峰下にある場合をR.G.,肩峰の内にある場合をpost-R.G.として3つに分類した. pre-R.G.とR.G.の21肩をA群,post-R.G. の21肩B群とした.両肩関節の屈曲・外転・下垂位外旋(以下ER1)・外転90度位外旋(以下ER2)・外転90度位内旋(以下IR2)可動域を測定し,A群とB群の2群間において比較した.さらに,屈曲および外転角度と他の方向の角度との相関についても調べた.
【結果】初診時の関節可動域は,屈曲がA群131.43°±9.65°B群139.76°±5.87°,外転がA群101.32°±11.45° B群120.71°±14.74°,ER1がA群28.33°±16.86°B群47.62°±18.87°,ER2がA群45.71°±17.75°B群82.14°±15.70°,IR2がA群25.95°±10.07°B群44.29°±9.55°であり,ER2においてのみ65°を境界とするとA群とB群を83%の精度で2群に分けることができた.運動方向間の相関はER2と外転がr=0.68で強い正の相関を認め,ER2と屈曲がr=0.54で正の相関を認めた.
【考察】見かけ上は挙上制限が少ないとされる症例でも挙上位X線画像による評価では5割の症例に明らかな挙上制限があることが分かった.また,屈曲や外転の角度の測定は体幹の代償作用で不正確になりやすいので挙上制限を見逃しやすい.今回の結果から,臨床現場で挙上制限を見逃さないためには外転90度位外旋角度に注目して65度以下の症例では挙上制限を疑ってみる必要があることが示唆された.
著者関連情報
© 2005 日本理学療法士協会
前の記事 次の記事
feedback
Top