日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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フェオフォルビドaの蓄積により誘導される細胞死について
*平島 真澄田中 亮一田中 歩
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p. 262

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抄録
フェオフォルビドaオキシゲナーゼ(PaO)は、フェオフォルビドaに酸素を添加してポルフィリン環を開環する、クロロフィル分解経路の鍵酵素である。2003年、我々はPaOがAccelerated cell death 1 (Acd1)遺伝子にコードされていることを報告した。acd1変異株が細胞死を促進する表現型を示すことは以前から報告されている。本研究では、シロイヌナズナのPaOアンチセンスRNA変異株(As-ACD1株)を用いて、PaOの発現抑制により誘導される細胞死について解析を行った。植物を暗処理すると、クロロフィルの分解が誘導される。As-ACD1株はPaOの発現が抑制されているため、暗処理を行うとフェオフォルビドaを蓄積する。暗処理後のAs-ACD1株に再び光を照射すると、葉が白化した。これは蓄積したフェオフォルビドaが光で励起され、一重項酸素が発生したためと考えられる。このような葉の白化が、様々なクロロフィル中間代謝物が蓄積した植物で起こることは、以前から報告されていた。さらにAs-Acd1株の葉では、暗処理後に光を照射しなくても、細胞膜や葉緑体の崩壊などが見られた。我々はこのように、フェオフォルビドaの蓄積が、光非依存的に細胞死を誘導するという新たな可能性を見出した。
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© 2005 日本植物生理学会
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