抄録
植物には光合成集光装置(LHC)タンパク質と相同なクロロフィル結合部位を持つ様々な類縁タンパク質が存在する。単細胞緑藻クラミドモナスから同定したLhl4遺伝子は新しい種類のLHC類縁タンパク質をコードし、そのmRNAは短時間の強光照射により著しく増加する。タンパク質レベルの知見を得るため、このタンパク質に特異的な合成ペプチドに対する抗体を作製した。この抗体を用いたウエスタンブロットにより分子量27 kDaのタンパク質に相当するメジャーなバンドが強光照射した細胞のチラコイド画分から一本検出された。これはLhl4の推定アミノ酸配列から予想される性質と一致する。このタンパク質は弱光下で培養した細胞からは検出されず、mRNAと同様に強光により著しく誘導された。これらの結果はLhl4タンパク質が葉緑体チラコイド膜における光ストレス防御に関与する可能性を示唆する。この遺伝子の光応答機構についての知見を得るため、mRNAレベルの光応答における光強度と光質の影響を調べた。暗所で培養した細胞を30分間光照射すると、1000 μmol m-2 s-1まで光強度に依存したmRNAの発現が見られた。また、この発現はDCMUとDBMIB存在下で光合成電子伝達系を完全に阻害しても見られ、青色光に対して強い依存性を示すことより、特異的な青色光受容体の関与が示唆された。