日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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タバコ培養細胞におけるアルミニウムによる細胞質Ca2+濃度の変動と他のアルミニウム応答反応との関連
*土屋 善幸山本 洋子河野 智謙古市 卓也松本 英明
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p. 304

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抄録
Alストレスにおいて、細胞質Ca2+がセカンドメッセンジャーとして働く可能性について検討した。Ca2+感受性発光タンパク質エクオリンを発現したBY-2タバコ細胞を用い、生理的に意味のある濃度範囲でAl処理を行い、細胞質Ca2+濃度([Ca2+]cyt)の変動と他のAl応答反応との関連性を検討した。
 Al添加後直ちに[Ca2+]cytの上昇が見られ5分後には初期レベルに低下した。このようなAlに対する一過的な[Ca2+]cyt上昇の程度は、Al濃度依存的に増加した。さらにAlによる[Ca2+]cytの増加は、Alイオン自体とAl添加によるpHの低下の両方によって誘導されると考えられた。ただし、Al添加直後の細胞は増殖能を100%維持しており、一過的な[Ca2+]cytの増加自体に増殖阻害との関連性はないと思われる。一方、Al処理を続け継時的に [Ca2+]cytを測定したところ、ピペッティング等の機械的刺激が原因と考えられる[Ca2+]cytの上昇が、コントロール細胞では6時間目から見られるのに対し、Al処理においては3時間目から見られた。また、増殖能を継時的に測定したところコントロール細胞では処理期間中、増殖能の低下は認められないが、Al処理細胞では3時間目から急激な低下が誘発され、6時間目以降完全に阻害された。以上の結果より、Alの吸着した細胞では、機械的刺激による[Ca2+]cytの上昇がコントロール細胞よりも誘発されやすく、さらに、この現象と増殖能の低下が強く関連していることを見い出した。
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© 2005 日本植物生理学会
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