抄録
光合成細菌へリオバクテリアの光化学反応中心 (RC) は、光化学系Ιや緑色硫黄細菌の RC と同様に電子受容体として鉄硫黄クラスターを持ち、その主要な光合成色素はバクテリオクロロフィル g である。既に我々は、へリオバクテリア Heliobacillus mobilis より 2 種のフェレドキシン (Fd) を単離し、その諸性質を報告した。今回は別種のヘリオバクテリア、Heliophilum fasciatum から 4 種の Fd を単離したのでその諸性質を報告する。Fd は硫安分画、陰イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィーにより精製し、その全過程を通じて嫌気性を保った。最終的に精製された 4 種類の Fd (Fd A、Fd B、Fd C、Fd D)は、それぞれ 2[4Fe-4S]型の吸収スペクトルを示し、ジチオナイトで還元して得た液体ヘリウム温度下での ESR スペクトルも 4Fe-4S 型に特徴的であった。これらのFd 標品を 4℃で大気下に曝したところ、Fd A は A385/A280 比が 24 時間で約 50% 程度減少し、Fd C は約 20% 程度減少し、酸素感受性であることが示唆された。一方、Fd B と Fd D は同条件で空気下においても A385/A280 比の低下が10% 未満で、酸素感受性は小さいことが示唆された。