日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シアノバクテリアにおけるタンパク質の脂質修飾
*氏原 哲朗片山 健太桜井 勇和田 元
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p. 355

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抄録
バクテリアにはN末端のシステイン残基に特有の脂質修飾を受けるリポタンパク質という一群のタンパク質が存在する。このような脂質修飾のメカニズムおよびリポタンパク質の局在や機能は、大腸菌や枯草菌などを用いた研究から明らかにされつつあるが、バクテリアの中で重要な一群を占めるシアノバクテリアにおいてはその研究がほとんどなされていない。シアノバクテリアは外膜や細胞膜の他に多量のチラコイド膜を持つという特異なバクテリアであるため、膜の界面で働くリポタンパク質はシアノバクテリアにおいて光合成をはじめとする重要な機能に関わっていると考えられる。本研究において我々はシアノバクテリアSynechocystis sp. PCC 6803におけるリポタンパク質の脂質修飾に関わる遺伝子を全て同定し、シアノバクテリアにも脂質修飾の機構が存在することを示した。また、リポタンパク質のシグナル配列を用いたゲノムサーチにより、Synechocystis sp. PCC 6803において30-40種類のリポタンパク質の候補が存在することを推定した。さらに、光化学系IIのサブユニットのいくつかが脂質修飾を受けることを明らかにし、これらのサブユニットの光化学系II複合体へのアセンブリーに果たす脂質修飾の機能について考察した。
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© 2005 日本植物生理学会
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