日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ジャスモン酸生合成遺伝子の発現を抑制した形質転換イネの作成
*服部 泰之屋良 朝紀八丈野 孝長谷川 守文楠見 健介射場 厚
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p. 388

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抄録
ジャスモン酸(JA)は植物の病傷害抵抗性を誘導する重要なシグナル物質である。JAはアレンオキシド合成酵素(AOS)、アレンオキシド環化酵素(AOC)、オキソフィトジエン酸還元酵素(OPR)を介するオクタデカノイド経路で合成される。本研究では、これらのオクタデカノイド経路に関わる酵素をコードすると考えられる遺伝子 (OsAOS, OsAOC, OsOPR1, OsOPR3) の発現を、RNAi法により抑制したイネ形質転換系統を作成した。OsAOS の発現を抑制した系統におけるJA含量は野生株の約62%まで低下していた。また、OsAOC の発現を抑制した系統では、JAは検出できないまで低下していた。一方、OsOPR1OsOPR3 両遺伝子の発現を抑制した系統におけるJA含量は野生株の約3%まで低下していた。これらの系統は、植物の病傷害抵抗性反応におけるオクタデカノイド経路中間物質の役割を調べる上で有用だと考えられる。
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© 2005 日本植物生理学会
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