日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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試験管内トマトモザイクウイルスRNA複製系を用いたトマトTm-1活性の検出
*石橋 和大内藤 哲石川 雅之
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p. 396

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抄録
トマトのTm-1はトマトモザイクウイルス(ToMV)の増殖を,過敏感細胞死を誘起せずに一細胞内で抑制するユニークな半優性の抵抗性遺伝子である.Tm-1は耕作種のトマトにも広く導入されているが,染色体上の組み換え頻度の低い領域に座乗していると考えられ,ポジショナルクローニングが成功していない.我々は,脱液胞化したタバコBY-2プロトプラストの抽出液(BYL)を用いた試験管内ToMV RNA翻訳複製系を確立した(Komoda et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 101: 1863-1867 [2004]).そこで,Tm-1トマトの脱液胞化プロトプラスト抽出液をBYLに加えて試験管内ToMV RNA翻訳複製反応を行ったところ, ToMV RNA複製の阻害が観察された.このときToMVの複製タンパク質は正常に蓄積していたことから,Tm-1はToMVの複製タンパク質がRNAを複製する段階を阻害することが示唆された.また,Tm-1活性を液体クロマトグラフィーにより分画し,その特性を調べたので報告する.
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© 2005 日本植物生理学会
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