抄録
マメ科モデル植物ミヤコグサから単離された共生変異系統crinkle(crk)は、感染糸の伸長が表皮細胞と皮層細胞最外層との境界で阻害され、有効根粒を形成しないHist-変異体である。またトライコームが縮れている、根毛基部が膨れる、莢が短いなどの多形質表現型も観察される。さらにcrkでは、未熟莢における未受精胚の分布割合が柱頭に対して遠位に位置するほど高くなり、花粉の発芽と花粉管伸長が阻害されていた。また、相互交配検定の結果から雄性配偶子に異常があることが明らかとなり、組織学的な解析から雄性配偶子の発達に異常をきたすことが判明した。したがってこの変異系統の原因遺伝子は、根粒形成のみならず植物発生に見られる極性伸長に深い関わりのあることが示唆された。現在この遺伝子の同定を行っている。ラフマッピングの結果、crk遺伝子は第5連鎖群に座乗していた。さらに、近傍分子マーカーを基点に作成されたBAC/TACコンティグについて、F2集団838個体における遺伝型解析からcrk座乗領域を約500kbにまで絞り込んだ。今回の発表ではcrk領域のマッピングデータを紹介する。