日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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レタス腐敗病の発病過程におけるアポトーシス様細胞死の関与
*木場 章範三川 泰学李 京愛大西 浩平曳地 康史
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p. 405

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抄録
Pseudomonas cichorii(Pc)によるレタス腐敗病の発病にはレタス細胞の de novo でのタンパク質合成が必要である。レタスのリーフディスクにPcを接種すると、9-12時間をピークに細胞死が誘導された。各種阻害剤を用いた解析から、本細胞死には細胞内活性酸素、プロテインキナーゼ、プロテアーゼ、DNaseが関与することが示唆された。また、本細胞死の過程を組織化学的に解析すると、ヘテロクロマチンの凝集が確認された。さらに、水およびPcを接種したレタスから抽出したRNAを用いて均一化cDNA ライブラリーを作成しディファレンシャルディスプレイを行った。その結果、Translation initiation factor、protein kinase、hsp70、chitinase 等の遺伝子の発現が制御されることが明らかとなった。以上の結果から、レタス腐敗病の発病過程には,情報伝達・遺伝子発現・タンパク質合成を伴う、アポトーシス様の自己細胞死が関与することが示唆された。
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© 2005 日本植物生理学会
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