抄録
われわれは、病原菌非存在下で細胞死を発現するシロイヌナズナの突然変異体をいくつか単離している。そのうちlen1変異体は、短日条件下において生長にともない、その葉において細胞死を発現した。しかし、長日条件下においては、細胞死の発現が抑制されていた。LEN1は、葉緑体に局在するシャペロニン、CPN60bをコードしているが、len1変異体における細胞死発現機構は不明のままである。また、lin2変異体は、葉緑体に局在するコプロポルフィリノーゲンIIIを欠損しており、長日条件下で顕著な細胞死を発現する。興味深いことに、len1lin2二重変異体においては、短日条件下における細胞死発現が抑制されていた。このことから、len1変異体の短日条件下における細胞死発現にはLIN2が必要であると考えられた。そこで、len1変異体の細胞死発現機構におけるテトラピロール合成経路の関与を調べるために、テトラピロール合成系に関与するいくつかの突然変異体とlen1変異体の二重変異体を作成し、細胞死について解析した。その結果、ある二重変異体においては、短日条件下における細胞死発現が抑制されていた。この結果から、len1変異体における細胞死発現機構について考察する。