日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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植物GCN関連遺伝子の発現と機能解析
*加藤 友彦佐藤 修正田畑 哲之日尾野 隆
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p. 436

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抄録
シロイヌナズナの可溶型ABCタンパク質遺伝子(AtGCN20-3)は根端でレポーター遺伝子が発現するラインの原因遺伝子として単離され、挿入変異株の解析から、この遺伝子が根の伸長を制御していることを明らかにした。AtGCN20-3と相互作用するシロイヌナズナGCN1遺伝子(AtGCN1)も根端で発現が見られ、さらに茎頂部・花器官でも発現していた。AtGCN1の挿入変異株は根の伸長が抑制されるだけでなく、不稔になることも報告してきた。これらAtGCN20-3, AtGCN1は酵母のアミノ酸欠乏時に働く遺伝子のオルソログであり、この系にはGCN2遺伝子・eIF2α遺伝子も関与している。そこでこれらの遺伝子発現を調べるために、GCN2遺伝子(AtGCN2)・eIF2α遺伝子(AteIF2α_II, AteIF2α_V)のプロモーターにGUS遺伝子をつないだコンストラクトを作製し、シロイヌナズナに導入した。その結果AtGCN2はAtGCN1と同様、根端・茎頂部・花器官で発現が見られた。またAteIF2α_IIの発現はAtGCN1, AtGCN2と同様の発現パターンを示したが、AteIF2α_Vは葉と花器官で発現しており、他の4つの遺伝子のパターンとは異なっていた。現在AtGCN20-3およびAtGCN1の挿入変異株と野生型植物から抽出したRNAを用いたアレイ解析も行っているので、その結果についてもあわせて報告したい。
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© 2005 日本植物生理学会
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