抄録
トマトESTの公開データベース(dbEST)への登録件数は、2004年11月現在、153,820件と膨大な数に達している。矮性トマト品種であるマイクロトムは、シロイヌナズナと同様に、蛍光灯下の実験室の棚でさえ生育し、栽培が容易な品種である。我々は、マイクロトムの葉と果実に由来するcDNAライブラリーの作製を進めてきており、現時点で、4万個以上のcDNAクローンから35,824個のESTの配列を得ている。そこで、本研究では、これらのマイクロトムESTとdbESTから取得したトマトEST(計186,405 EST)に対してphrapを用いた大規模アセンブルを行い、26,363個のunigeneを得た。次に、これらのunigeneの配列とESTのアライメントを調べた結果、660個のunigeneに品種間SNPが、また、137個のunigeneにSSRが含まれることが示唆された。また、シロイヌナズナ遺伝子と配列相同性をもつunigeneに対しては、シロイヌナズナ遺伝子のジーン・オントロジー(GO)で定義されている分類名(GO_term)との関連付けを行った。以上の結果は、我々のマイクロトム・データベースに格納しており、遺伝子の機能解析に大きく貢献するだろう。