日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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FT-ICR MS分析によるメタボローム・フィンガープリンティング
1.FT-ICR MS分析プラットフォームの整備
木村 篤子及川 彰和田野 晃櫻井 望鈴木 秀幸斉藤 和季柴田 大輔金谷 重彦*太田 大策
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p. 475

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抄録
フーリエ変換イオンサイクロトロン型質量分離装置(FT-ICR MS)を用いた高分解能(<1ppm)の質量分析実験では、分液やクロマトグラフィーなどの分離操作をすること無しに代謝産物の一斉分析すること、さらに精密質量データ(m/z)から未知物質の組成式や化合物の絞込みが可能である。本研究では、FT-ICR MSを植物メタボローム解析に応用することを目的として、FT-ICR MS分析の詳細な条件検討とデータ処理法を整備した。
まずシロイヌナズナ培養細胞(T87)抽出液を用いて、FT-ICR MSの分析条件を最適化した。T87細胞は液体窒素で凍結した後、メタノール抽出した。イオン化はエレクトロスプレーイオン化法によって行った。高感度のピークを再現性良く得るために、サンプル濃度、インフュージョン流入速度、イオンの蓄積時間などの条件を設定した。また、分子量校正のために添加する内部標準物質の種類を検討した。試料の分析は、連続的に数十回のスペクトルデータとして取得し、添加した内部標準物質について観測されたm/zと分子量の理論値を用い分子量の校正を行った。また、メタボロームデータを解析するためにプログラムを開発した。一連のFT-ICR MS分析プラットフォームによる解析例として、シロイヌナズナ培養細胞T87のメタボローム変動の類型化の結果を報告する。
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© 2005 日本植物生理学会
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