日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナ代謝関連遺伝子の大規模機能解析
*團迫 智子小川 洋一長谷川 真由美松浦 貴志森 久美子櫻井 望鈴木 秀幸斉藤 和季柴田 大輔
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p. 479

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抄録
工業原材料生産に関わる多種多様な植物での代謝制御方法の開発を最終目標として、当研究チームでは、モデル植物を用いた代謝関連遺伝子のハイスループットな機能解析を行っている。シロイヌナズナの培養細胞(T87株)を用いて遺伝子の過剰発現系統を作製し、その影響を、主に代謝産物および遺伝子発現のプロファイリング(メタボロミクスおよびトランスクリプトミクス)の技術を用いて解析している。培養細胞は、均質な実験材料を再現良く容易に確保できるため、遺伝子発現や代謝産物の高精度な比較解析に適している。様々な代謝産物の生合成酵素遺伝子及び代謝制御関連遺伝子を中心に、数千にもおよぶ遺伝子を解析対象として選択した。発現ベクターの構築にはシロイヌナズナ完全長cDNAクローン(RAFL, 理研)を用い、そのcDNA領域を、Gatewayシステムを利用してCaMV 35Sプロモーターの制御による高発現系ベクターにハイスループットに組み込む系を確立した。現在までに1590種類のコンストラクトを作製し、順次、アグロバクテリウムを介してT87培養細胞に遺伝子導入した。形質転換系統のカルスにおけるRT-PCR解析の結果、導入した遺伝子に特異的な転写産物の蓄積が確認された。以上のように、ハイスループットな遺伝子機能解析のための基盤を確立した。
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© 2005 日本植物生理学会
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