日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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植物シスタチン遺伝子導入による耐虫性ダイズの作出
*山田 聖植木 英雄喜多 洋一西澤 けいと黒田 昌治與座 宏一北山 雅彦石本 政男
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p. 491

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抄録
ホソヘリカメムシは登熟中のダイズ種子を吸汁し、不稔や汚粒等の被害を及ぼす。この昆虫は消化酵素としてシステインプロテアーゼを有している。一方、トウモロコシ、イネ、ハトムギ等にはシステインプロテアーゼの活性を阻害するインヒビタータンパク質(シスタチン)が分布し、ホソヘリカメムシ等の昆虫の消化酵素を阻害する。そこで、ダイズへの耐虫性の付与を目指して、植物シスタチン遺伝子の導入を行った。植物シスタチンとしては、オリザシスタチン(OC1)、トウモロコシシスタチン(mCC1)及びハトムギシスタチン(JTC)を用いた。さらに、mCC1とJTCについてはシグナルペプチドの有無によって、mCC1AとmCC1B、JTCAとJTCBを作製した。これらシスタチン遺伝子を個別にCaMV35Sプロモーターおよび子葉特異的プロモーターであるダイズ7Sグロブリンα'サブユニット遺伝子の上流領域とNosターミネーターに接続し、pUHGベクターの緑色蛍光タンパク質遺伝子とハイグロマイシン抵抗性遺伝子の間に挿入した。これら導入用コンストラクトをダイズの未熟種子から誘導した不定胚へ遺伝子銃により導入し、組換え体を得た。イムノブロットにより、これら組換え体に稔った種子において導入シスタチンの蓄積を確認した。今後、導入遺伝子について固定系統を作出し、ホソヘリカメムシに対する耐虫性を調査する予定である。
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© 2005 日本植物生理学会
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