抄録
簡便な遺伝子破壊法であるRNAi法では、2本鎖RNAの転写領域中央にイントロンを介在させることでRNAiの効率を高めることが知られている。昨年、アミロース合成酵素をコードするWx遺伝子を標的として、Wx5’UTR領域をトリガーとしたイントロンスペーサーを持つRNAiベクターを設計し、そのスプライシング効率の変更による遺伝子破壊能の量的調節の効果について報告した。本大会では、1)さらに異なるスプライス変異を持つRNAiベクターのRNAi効率への影響、2)トリガーに用いる遺伝子領域の違い(5’UTR、ORF、3’UTR)による抑制効果の違い、3)トリガー配列の長さの違いによる抑制効果の違い、を詳細に検討するために以下の実験を行った。
1)については、2つの異なるスプライス変異を持つRNAiベクター、イントロンの逆位により全くスプライスされないベクターなど併せて数種類のベクターをイネに導入し、解析した。その結果、スプライシング効率の低下に伴いRNAi効率が低下した。この際、導入遺伝子からの転写産物も減少していたことから、スプライシングによる転写活性化がRNAiの効率に関わっていると考えられた。また、2)については、発現の抑制される組織が異なるケースが観察された。さらに3)について、トリガーの長さが異なるRNAiベクターをイネに導入し、現在解析中であり、併せて報告する。