日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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硝酸イオントランスポーター遺伝子高発現イネの作出と硝酸吸収能の解析
*森 真理北村 治滋佐藤 大祐田中 俊憲長谷川 博塚本 崇志藤巻 秀阪本 浩一石井 里美鈴井 伸郎河地 有木松橋 信平西澤 直子森 敏森 正之
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p. 504

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抄録
 NRT2はNO3-低濃度条件下で働く高親和性トランスポーター(HATS)である。イネは、一般栽培条件ではNO3-濃度が低いため、そのNO3-吸収に主にNRT2が寄与していると考えられる。本研究では、イネの窒素吸収能を高める方法として、HATSであるOsNRT2の機能を増強しNO3-低濃度条件でのNO3-の取り込みを高めることを試みた。まずイネからOsNRT2を単離し塩基配列を決定した(DDBJ;AB008519)。次に単離したOsNRT2を35S改変型高発現プロモーター(生物研から分譲)に連結しイネ品種「ゆめおうみ」に導入し100個体の形質転換イネを得た。導入遺伝子がmRNAレベルで安定して高発現する5系統を選抜しNO3-吸収能を分析した。3~5葉の形質転換イネ幼苗を窒素フリー条件で1~2日処理した後、200μM KNO3溶液に浸漬し4、8および16時間後の溶液中の残存NO3-量をイオンクロマトグラフィーを用いて測定し根1g当たりのNO3-吸収量を求めた。その結果、形質転換イネのNO3-吸収量は野生型イネに比べて有意に増加した。PETIS(Positron Emitiing Tracer Imaging System)を用いたNO3-吸収能の解析においても同様の結果が得られた。
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© 2005 日本植物生理学会
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