日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ポジトロンイメージングシステムによるアサの光合成産物の輸送と分配の解析
*阪本 浩一藤巻 秀河地 有木石井 里美鈴井 伸郎石岡 典子塚本 崇志渡辺 智松橋 信平
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p. 503

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抄録
 ソースである葉でつくられた光合成産物は、篩管を通して植物の様々な器官シンクへと輸送される。光合成産物は、栄養生長期では主に根や茎へ、生殖生長期では花芽、子実や種子へと輸送され、植物の生長ステージにより輸送されるシンクが変化する。しかしながら光合成産物の輸送や分配の挙動をイメージング解析した例は少ない。
 本研究では、植物の栄養生長ステージにおける炭素の変化を経時的に追跡し、シンクへの蓄積について評価するため、ポジトロンイメージングシステム (Positron-Emitting Tracer Imaging System (PETIS)) による11C-トレーサーの動態から、光合成産物輸送の経時変化の撮像を試みた。栄養生長速度の速いアサを材料に用いて、ポジトロン放出核種11Cで標識した炭酸ガス(11CO2)をアサの葉から供給し、光合成産物の輸送と分配を調べた。さらにイメージ上に取った適当な領域におけるトレーサーの組織への積み下ろし率を、数理的解析法を用いて推定した。その結果、最大展開葉に11CO2を供給した場合には、光合成産物は茎の伸長が特に著しい最大展開葉直下の節間と茎頂部に集中して蓄積することがわかった。一方、下位葉に11CO2を供給した場合には、光合成産物は根方向に輸送されると共に、途中の節間に対して均等に積み下ろされることがわかった。
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© 2005 日本植物生理学会
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