日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネ(推定)外向き整流性K+チャネル遺伝子の発現と機能解析
*岩崎 郁子佐藤 雅彦眞崎 聡中西 洋一前島 正義北川 良親
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p. 528

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抄録
生物界には多様なK+チャネルが存在し,機能も多様である。イネにおけるK+チャネルの役割を理解する目的で,「ひでこもち」と「ひとめぼれ」の2品種を対象にし、クローニングして得られた共通の遺伝子(ROK,rice outwardly rectifying K+ channel)について、その発現と機能解析を行なった。ROKは外向き整流性を示すグループに入る。酵母に異種発現させたROKタンパク質の分子サイズは、約33kDであった。出穂期の約10日前および約5日前のそれぞれの穎花から得られた葯について、ROKのmRNA量をリアルタイムPCR法を用いて発現量を比較したところ、2品種いずれも出穂期の約10日前の方が5日前よりも約5-10倍高いことがわかった。出穂期の約10日前は冷温感受性期に相当するといわれる。ROKの生理学的機能について今後さらに調査検討を要する。
一方、ROKタンパク質の細胞内局在を調べるために、GFP(green fluorescent protein)との融合タンパク質をシロイヌナズナの培養細胞を用いて作らせたところ、外液のK+イオン濃度の違いに応じて細胞内オルガネラおよび細胞膜への局在に変化が見られた。その結果はROKが機能的に外向き整流性を持つチャネルタンパク質であることを示唆した。
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© 2005 日本植物生理学会
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