抄録
【目的】近年、植物において複数のストレス耐性や防御に関連する遺伝子が選択的スプライシング機構による転写後発現調節を受けることが明らかにされている。我々はこれまでに、シロイヌナズナにはスプライシング制御因子の一つであるSRタンパク質ホモログは21種類存在しており、それらの中でSR41.2が強光により発現誘導されることを明らかにした。また、SR41.2はGU2-5の繰り返し配列を特異的に認識した。そこで本研究では、植物におけるストレス応答性の選択的スプライシング制御機構の存在を明らかにするために、SR41.2の機能解析を試みた。
【方法・結果】定法に従ってSR41.2を過剰発現させた形質転換シロイヌナズナを作成した結果、発現量が2~20倍に変化した形質転換体T2世代が得られた。そこで、SR41.2がスプライシング効率を制御する標的mRNAを決定するために、シロイヌナズナゲノム配列中からGU2-5配列をスプライシング部位付近に有するストレス関連遺伝子を検索し、SR41.2過剰発現形質転換体におけるスプライシング効率の変化をRT-PCRにより解析した。その結果、SR41.2の発現量とそれらのmRNAのスプライシング効率の直接的な関連は認められなかった。現在、ディファレンシャルディスプレイ法によりSR41.2の標的mRNAの同定を試みている。