日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
一般演題
O-2-D25 体重免荷時の自動介助運動が重症心身障害者の下肢筋活動に及ぼす影響
−症例検討−
奥田 憲一白川 泰彦長原 真也
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2014 年 39 巻 2 号 p. 279

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抄録
はじめに 第39回日本重症心身障害学会学術集会、シンポジウム1:重症心身障害児(者)へのこれからのリハビリテーションにおいて、理学療法の立場からThe SPIDERを紹介した。今回The SPIDERと同様に体重免荷した状態での運動が可能となる、ユニバーサルフレーム®(株式会社アシスト製、以下、UF)を用いて重症心身障害者に自動介助運動を行った結果、下肢の関節可動域の改善など若干の知見を得たので報告する。 方法 対象は当園入所利用されている20歳男性1名。診断名は脳性麻痺、痙直型四肢麻痺。GMFCS level IV、大島分類 4。日常生活での移動は電動車いすを使用されている。UFを用いて体重免荷した状態で立位をとらせ律動的な下肢の屈曲、伸展の自動介助運動を行い、運動中の股関節周囲の筋活動を計測した。被験筋は大腿筋膜張筋、中殿筋、大殿筋、長内転筋の4筋とした。またUF前後の股関節、膝関節の関節可動域を計測した。計測は3回計測し平均値を求めUF前後で比較した。 結果 UF中の筋活動は、下肢の屈曲、伸展に伴う大腿筋膜張筋、中殿筋、大殿筋、長内転筋の律動的な収縮と弛緩を反復する筋活動が認められた。主な関節可動域のUF前⇒後の比較では、股関節外転(右)−13.3°⇒6.7°、(左)−11.7°⇒6.7°、股関節伸展(右)−46.7°⇒−28.3°、(左)−16.7°⇒10.0°、膝関節伸展(右)−60.0°⇒−46.7°、(左)−46.7°⇒−35.0°であった。 考察 松尾(2010)は脳性麻痺の筋活動の特徴について、多関節筋は過活動し痙縮や固縮の要因となり、単関節筋は麻痺し抗重力機能が低下するとした。今回UFを用いて体重免荷した状態で下肢の屈曲、伸展の自動介助運動を行うことで、股関節周囲の単関節筋である中殿筋、大殿筋、長内転筋に筋活動が認められ、その結果、股関節の外転や伸展をはじめとする下肢の関節可動域が改善したことは意義深く、重症心身障害者にとってUFを用いることの有効性が示唆された。
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© 2014 日本重症心身障害学会
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