抄録
当研究室ではトウモロコシのNADPH依存性HC毒素還元酵素(Hm1)と高い相同性を持つYK1遺伝子をイネから単離した。前回我々は本遺伝子の高発現イネにおいてNAD合成酵素とNADリン酸化酵素の活性上昇ならびに、NAD(P)(H)量の増加が起こることを報告した。今回YK1がHm1と同様にNADPH依存性であるジヒドロフラボノール還元酵素(DFR)とも相同性を持つことに着目し、GST融合タンパク質を用いて測定したところYK1はDFR活性を持つことが明らかになった。またYK1高発現イネではDFR活性が上昇し、さらにこの合成系の最終生成物であるアントシアニン量の増加が認められた。またYK1高発現イネが過酸化水素ストレスに対する耐性を有することも明らかになった。以上の結果から、YK1はDFRと同様の機能を持ち、アントシアニン合成を制御することで生体防御に重要な役割を果たすことが示唆された。