日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナSnRK2プロテインキナーゼSRK2Cの高浸透圧およびABAによる活性化機構の差異
*梅澤 泰史吉田 理一郎篠崎 一雄
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p. 598

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抄録
SnRK2ファミリーは植物固有のプロテインキナーゼであり、高浸透圧やアブシジン酸(ABA)によって活性化するという特徴を持っている。我々はシロイヌナズナSnRK2の一つであるSRK2Cが高浸透圧によって活性化し、SRK2C過剰発現植物は遺伝子発現を制御することによって、乾燥耐性を獲得することを示してきた(Umezawa et al., PNAS, 2004)。今回、我々はSRK2Cの活性化が高浸透圧だけではなく、ABAによっても引き起こされることを報告する。シロイヌナズナT87培養細胞を用いた実験では、ABAによるSRK2Cの活性化は2~5分と急速である。この活性化を高浸透圧の時と比較すると、いくつかの違いが見られる。第一に、細胞をEGTAで処理しておくと、高浸透圧によるSRK2Cの活性化は抑制されるが、ABAによる活性化は抑制されない。第二に、32P正リン酸で標識した細胞を用いてSRK2Cを免疫沈降すると、高浸透圧条件ではSRK2C自身がリン酸化されていたが、ABA処理ではリン酸化は認められなかった。以上のことから、SRK2Cの活性化は、高浸透圧とABAでは異なった経路によって制御されると考えられる。また、SRK2CとABAシグナリングの関係について、SRK2C過剰発現植物や酵母Two-hybridスクリーニングの結果を交えて考察する。
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© 2005 日本植物生理学会
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