抄録
光合成水分解系の最小機能単位がどういうものであるかはいまだ不明で、クロロフィルタンパク質であるCP47やCP43あるいはその他の因子がマンガンクラスターの光構築に必要かどうかを解明する必要がある。
ホウレンソウから単離した光化学系2標品を0.8M Tris (pH8.0)で処理した後、界面活性剤であるシュークロースモノラウレート(SML)で処理し、Mnクラスターを欠き、D1/D2/CP47/Cytb559/Iタンパク質からなる光化学系2コア複合体を調製した。またこの調製過程で、コア標品から遊離してきたLタンパク質などの数種の低分子タンパク質を得た。Lタンパク質はQA活性や、光化学系2の酸化側/還元側の回復に関与していると報告されていることから、コア複合体とLタンパク質を含む低分子タンパク質や脂質(PG、DGDG、プラストキノンなど)との再構成を行った。電子伝達活性やMn2+のマンガン高親和性結合部位への結合能を測定した結果、この再構成により光化学系2の酸化側及び還元側の回復がみられることが分かった。さらに再構成標品を用いて、マンガンクラスターを再構築するために光活性化処理を行い、水分解能の回復がみられた。現在、さらに水分解能回復の向上条件を調べている。