日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シアノバクテリアGloeobacterの光環境適応
*杉浦 花菜寺内 一姫伊藤 繁
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p. 631

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抄録
Gloeobacter violaceusは, 細胞内にチラコイド膜をもたない。最近終了した全ゲノム解読によれば最も初期に分岐したシアノバクテリアで、酸素発生型光合成発生初期の特徴を残す生物と考えられる。アンテナ色素として、フィコエリスリン(PE)、フィコシアニン(PC)、アロフィコシアニン(APC)、クロロフィルa (Chl a)をもつ。我々はGloeobacterを異なった光条件のもとで培養し、その色素系と光化学系の特性変化を調べた。シアノバクテリアには培養光の質によってPE/PC比を変化させる補色適応を行なうものがいるが、Gloeobacterでは殆ど起こらないと報告されていた (Rippka et al.;1974)。我々は、赤色光および緑色光下で培養したところ、前者は赤みがかり後者は青みがかるという、色の異なる細胞が得られた。顕微分光法により吸収スペクトルを測定すると、フィコビリンのPE/PC比には大きな変化はなかった。見かけの色の変化の原因は、フィコビリン/クロロフィル比の大きな差によるものであった。これらの単一細胞毎の吸収と蛍光スペクトルの違いを顕微分光で測定しその分布を解析し、さらに低温での時間分解蛍光分光測定、光化学系IIからのみ出る遅延蛍光の測定を行ない、この細菌の光化学系I,IIの活性と色素間エネルギー移動を検討した。
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© 2005 日本植物生理学会
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