日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

Deinococcus radiodurans由来NO合成酵素(NOS)過剰発現体シロイヌナズナにおけるNOの役割
*園田 雅俊Werner KaiserJuergen Zeier
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 665

詳細
抄録
一酸化窒素(NO)は非極性のラジカル分子であり、生体内では他のラジカルやチオール、鉄含有蛋白質等と反応するため、様々な生物において細胞間を移動するシグナル分子と考えられている。植物においてNOは病害抵抗性獲得や気孔の開閉、花成の制御等多岐の生理現象に関与するがその分子機構はあまりよく分かっていない。植物におけるNOの役割解明に向けてDeinococcus radiodurans由来のNO合成酵素(NOS)遺伝子をカリフラワーモザイクウィルス由来35Sプロモーターを用いて過剰発現させた形質転換体シロイヌナズナを作製した。導入したNOS遺伝子の発現量が低い株では野生株と表現型に顕著な差は認められなかったが、NOS遺伝子を極めて強く発現した株は野生株に比べ生育が遅く、ロゼッタ葉の形態異常が見られた。更に、これらの形質転換体では花茎の数の増加が認められた。これらの結果はNOが葉の形態や花茎の形成にも関与することを示唆する。
著者関連情報
© 2005 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top