日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

15N-安定同位体標識とMALDI-TOF MSによるβ-チューブリン・アイソフォームの解析
-タバコBY2細胞の分裂期前後における変動-
*岡村 昭治小島 絵美川田 恭久渡部 有佳三ツ井 麗子成田 琴美守田 雅志今中 常雄
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 706

詳細
抄録
 タバコBY2細胞は窒素源をK15NO3, 15NH415NO3で置換えた長田の培地1)で前培養することで細胞成分の98.8%の窒素を15Nで置換することが可能である。この安定同位体標識細胞を通常培地での細胞と混合して調製した試料を二次元電気泳動し2)、PVDF膜に転写、AspN分解フラグメントをMALDI-TOF MSにより測定した。アイソタイプ間で保存性の高いフラグメントのシグナル強度比から分裂期前後におけるβ-チューブリン含量の変動を求めたところ、5種のアイソタイプの転写レベル3)で見られた様な大きな変動はいずれの2-Dスポットに於いても見られなかった。しかし、各スポットは必ずしも単一のアイソタイプ産物より成るとは限らず、更に一部はリン酸化、グルタミル化等の翻訳後修飾を受けている可能性が示唆された。これらのスポットを構成するアイソタイプの帰属とそれらの修飾の種類、部位およびその生理的意義について更に明らかにする為には酸性フラグメントの検出効率をより高めることが不可欠であり、その点について現在検討中である。
1) Nagata & Kumagai. Methods Cell Sci.21, 123 ('99)
2) Oda et al. P roc. NAS USA 96, 6591 ('99)
3) Okamura et al, Cell Biol.Int. 27, 245 ('03)
著者関連情報
© 2005 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top