日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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高等植物ミオシンXIの歩行モデルにおける軽鎖カルモジュリンの役割
*富永 基樹小嶋 寛明横田 悦雄中森 鈴奈新免 輝男大岩 和弘
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p. 716

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抄録
タバコ培養細胞BY-2から精製した高等植物ミオシンXIは、2つのヘッドと長いネックを持ち、アクチン上をステップ幅35nmでプロセッシブ(連続的)に運動する(Tominaga et al., 2003 EMBO J.)。ネック部位には6つのIQモチーフがあり、軽鎖としてカルモジュリン(CaM)が結合している。
このミオシンXIは、Ca2+によって運動が阻害される。pCa4において軽鎖CaMがネックから可逆的に解離し、運動距離が減少した。ミオシン1分子の弾性を見積ったところ、Ca処理によって増加し、CaMが解離したネックが短縮することが示唆された。光ピンセットによる1分子計測より、pCa4ではその平均発生力は小さくなり、ステップサイズは、低負荷(0-0.5 pN)で27 nm、高負荷(0.5-1 pN)で22 nmと小さくなった。更に、pCa4におけるミオシン分子の弾性は、負荷がかかるほど大きくなり、CaMが解離した部位がworm-like chain状に短縮していることが示唆された。高負荷下でステップサイズがより減少するのは、worm-like chainが引き伸ばされネックの変位がうまく伝わらなくなったためであると考えられる。以上の結果より、軽鎖CaMはネックにレバーとしての弾性と長さを与え、ミオシンXIが大きな35 nmステップで歩行することに重要な役割を担っていることが示唆された。
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© 2005 日本植物生理学会
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