日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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マンノースを含む培地で生育したアズキカルス細胞の糖リン酸エステルと糖ヌクレオチドプールサイズの変動
*加藤 晶井上 雅裕
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p. 718

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抄録
 アズキの懸濁培養細胞はマンノースを唯一の炭素源として含む培地では成長できないが、カルス細胞はスクロースやグルコースを含む培地と同様にマンノース培地でも生育できる。この理由としてカルス細胞がマンノースを取り込んだ後スクロースに転換する能力をもつことを報告した。本研究では、マンノースからスクロースがどのように合成されるかを調べるため、カルス細胞の各種酵素活性、中性糖組成および糖リン酸エステルと糖ヌクレオチド濃度を測定した。
 まず、マンノース-6-リン酸をフルクトース-6-リン酸に転換する酵素(PMI)活性を測定したが、活性は低く、かつ、マンノースまたはスクロースで培養したカルスの間で顕著な差はなかった。マンノース培地で培養したカルス細胞の中性糖画分には多量のスクロースが含まれていた。次に、その酸性糖画分をDEAE-Sephadex A-25 カラムで分離して糖リン酸エステルとUDP-糖の含量を測定した。その結果、これらの両方の糖含量が、スクロース培地の細胞のものと比べて、著しく増加していた。また、スクロース培地の細胞には殆ど含まれない未知の糖リン酸エステルも多量に存在していた。現在その糖リン酸エステルとUDP-糖画分の糖組成を分析している。
 以上の結果から、PMIを介する経路とは別に、UDP-マンノースやその他の糖ヌクレオチド合成を介してスクロースを合成する経路が存在することがわかった。
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© 2005 日本植物生理学会
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