抄録
高等植物では糖ヌクレオチドはde novo、salvageの2つの経路で合成される。de novo経路では、UDP-Glcを初発基質とした変換反応により様々なUDP-糖が合成されるのに対して、salvage経路では多糖類の分解などで生じた単糖から単糖1-リン酸を経て糖ヌクレオチドが合成される。これまでに単糖1-リン酸を糖ヌクレオチドに変換する酵素はその一部しか同定されていない。我々はsalvage経路の最終反応を触媒する新規のUDP-糖ピロフォスフォリラーゼ、PsUSPを単離した。PsUSPはエンドウ豆の芽生えから各種クロマトグラフィーにより1200倍に精製された。精製したPsUSPは糖1-リン酸に幅広い特異性を示し、UTPの存在下で、UDP-Glc, UDP-Gal, UDP-GlcA, UDP-Xyl, UDP-L-Araを生成した。RT-PCRにより単離したPsUSPのcDNAは、既存のピロフォスフォリラーゼと相同性が低く、系統樹解析ではシロイヌナズナやイネのホモログとともに新規のクレードを形成した。大腸菌で作成した組換えPsUSPも同様の性質を示した。これらの結果からPsUSPは植物の体内でsalvage経路の最終反応を触媒する、幅広い基質特性を有した新規のUDP-糖ピロフォスフォリラーゼであることが示唆された。