抄録
[緒言] アラビノース(Ara)はペクチンなどの細胞壁多糖類の主要な構成糖であり、主にフラノース型(Araf)として存在する。in vitroのアラビナン生合成ではUDP-アラビノピラノース(UDP-Arap)が用いられているが、糖受容体や酵素転移産物の同定は十分に行われていない。そこで、UDP-Arapを糖供与体、ガラクトオリゴ糖を糖受容体としたアラビノース転移酵素(AraT)について検討した。
[方法と結果] 蛍光標識したガラクト七糖(Gal7-2AB), UDP-Arapと可溶化ミクロソーム画分を反応させ、反応生成物を単離・精製してMS, NMR等により解析した。生成物はα-L-ArapがGal7-2ABの非還元末端ガラクトースの4位に結合したArap-Gal7-2ABであった。ガラクトオリゴ糖はガラクトース転移酵素の受容体になったが、Arap-Gal7-2ABは受容体にならなかったので、非還元末端のArapはGal鎖の伸長を停止すると考えられる。