日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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雄しべと花弁の発達におけるARF2の役割
*田畑 亮井澤 俊明中村 研三石黒 澄衞
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p. 740

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抄録
植物のつぼみが花開くとき、花弁細胞の急速な伸長が起きる。シロイヌナズナでは同時に雄しべも葯の裂開を伴いながら伸長し、葯と柱頭が接触して自家受粉が達成される。我々はこの花器官の急激な伸長、発達過程に異常を示す突然変異体を単離し、原因遺伝子の同定を進めてきた。ポジショナルクローニングにより、この遺伝子は転写調節因子であると考えられるAuxin response factor 2 (ARF2)をコードしていることがわかった。arf2変異体の花では、開花時の花弁や雄しべの伸長が抑制されており、また葯の裂開率も低下するため、弱い不稔性を示す。走査型電子顕微鏡によってarf2の花弁を各発達段階で解析したところ、野生型との比較により細胞数には変化はなかったが、開花時における伸長が阻害されていた。植物ホルモンの1種であるジャスモン酸は葯の裂開、花粉の成熟さらには花弁の伸長に必須であることが知られている。我々は、そこでarf2変異体の花におけるジャスモン酸生合成系(DAD1、LOX2)および応答性遺伝子(VSP2、Jacalin、BG1)のmRNA発現レベルを調べたところ、予想に反し両者共に発現量の増加がみられた。花器官発達、成熟時にどのようにARF2はジャスモン酸シグナル伝達と関っているか調べるため、現在はARF2の発現パターン、arf2変異体の花におけるDR5-GUSの発現パターン、そして過剰発現株での花器官の発達を解析している。
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© 2005 日本植物生理学会
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