日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

ヒマワリ種子のアレロパシーに関与する物質の構造
*加藤 貴子富田ー横谷 香織安部 愃三小瀬村 誠治長谷川 宏司
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 776

詳細
抄録
我々は、ヒマワリ(Helianthus annuus L.)の種子が、これまで検定した複数の植物種において、種選択的にアレロパシー(他感作用)を示すことを明らかにし、このアレロパシー活性の原因候補物質のひとつとして種子の水滲出物から4,15-dinor-3-hydroxy-1,(5)-xanthene-12,8-olide (sundiversifolide)をすでに単離・同定している。また、この他にも複数の関連物質の存在を確認している。ヒマワリ種子の水滲出物中には、異種植物の地上部・地下部、それぞれに対する生長抑制活性物質と促進活性物質が共に含まれ、これら複数の物質の相互作用がトータルのアレロパシー活性を引き起こしていると考えられる。ヒマワリ種子から放出されるsundiversifolideの量は極めて微量であり、この物質以外にも、抑制活性に寄与する物質が存在すると考えられることから、オオイヌノフグリ(Veronica persica Poiret)や、その他の雑草を含む数種の植物の芽生えの生長に及ぼす影響を指標として生物検定を行った。その結果、検定した植物の地下部にその生長抑制活性はsundiversifolideほど顕著ではないが、種子の水滲出物中における含有量は10倍以上多い物質の存在が認められた。この物質の構造と活性について報告する。
著者関連情報
© 2005 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top