日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ミヤコグサにおけるジャスモン酸類による遺伝子発現応答の網羅的解析
宮地 俊一*松倉 智子関本(佐々木) 結子大林 武青木 俊夫河内 宏櫻井 望鈴木 秀幸高宮 建一郎柴田 大輔太田 啓之
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p. 775

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抄録
 ジャスモン酸類(JA:ジャスモン酸、MeJA:ジャスモン酸メチル)は、病傷害応答や葯の開裂等の広範な生理作用に関与するシグナル物質である。シロイヌナズナやトマト等のモデル植物とは異なり、マメ科植物は複雑な二次代謝経路を持ち、根粒菌との共生を行うといった特徴を有することが知られているが、これらの現象の制御にJA類がどのように関与しているかは明らかになっていない。そこで本研究ではマメ科のモデル植物であるミヤコグサにおいてJA類が果たす役割を網羅的に調べるために、cDNAマクロアレイを用いた遺伝子発現解析を行った。
 その結果、独立した18,144ESTクローンの中からMeJAに応答を示すEST437個を同定した。その中には、種々の植物でJA類に応答することがよく知られているJA生合成に関わる遺伝子、ストレス応答遺伝子の他、二次代謝産物生合成に関わる遺伝子、根粒形成時に発現するノジュリン遺伝子も見られた。さらに、これらのMeJA応答性遺伝子を、既に報告されているミヤコグサで根粒形成時に発現する遺伝子群(河内ら、2004)と比較すると、MeJA応答遺伝子のうち根粒形成時に発現する遺伝子の多くは、根粒形成初期に発現する遺伝子であることが判った。本発表では、今回得られたミヤコグサにおけるMeJA応答遺伝子群について、その機能的分類、傷害ストレスにおける応答性、根粒形成への関与等について報告する。
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© 2005 日本植物生理学会
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