日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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葉緑体に局在する単量体GTP結合タンパク質AtOBGは植物体の発達に必須である
梅田 哲也中平 洋一竹葉 剛*椎名 隆
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p. 806

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抄録
GTP結合タンパク質は、シグナル伝達、蛋白質合成および輸送、細胞周期制御などの様々な細胞過程で重要な分子スイッチとして働いている。Obgは、Obg/GTP1サブファミリーに属する単量体GTP結合タンパク質の一種で、そのホモログは、バクテリアから、人や高等植物などの高等真核生物に至るまで幅広く存在する。多くのバクテリアにおいてObgは必須遺伝子であるが、その分子機能は十分に解明されていない。シロイヌナズナにはObgホモログが1種存在する(AtOBG)。そのアミノ酸配列はバクテリアObgと高い相同性を示すが、N末端に220残基の伸長が見られ、葉緑体局在が予測されている。その細胞内局在をGFPとの融合蛋白質を用いて調べたところ、葉緑体内の核様体と思われる構造に局在することが分かった。AtOBG転写産物の発現は光に強く依存しており、特に葉で強い発現が見られた。高等植物におけるObgの機能を探るため、シロイヌナズナAtOBGのT-DNA挿入変異株の解析を行った。AtOBGをノックアウトした場合、胚発生が球状胚の段階で停止することが分かった。これは、高等真核生物のObgホモログが細胞小器官(葉緑体)に局在する必須遺伝子であることを示す初めての結果である。
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© 2005 日本植物生理学会
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